つながりと孤独感。〔#248〕

便利さの中に埋もれる孤独
リビングブディズム紙”loneliness epidemic”


みなさん、こんにちは。

今回は、『リビングブディズム紙』に掲載された記事の一部をご紹介したいと思います。

この記事の内容は、日常あるいは今巷で起こっている出来事を、仏教徒である私たちの視点でどうみていくのか、どう解決の糸口を見つけるのかというようなことで、インタビュアーが1人と、3人のメンバーがその質問に答えています。

今回のテーマは”Loneliness Epidemic”。

Lonelinessというのは「一人ぼっち」「孤独」という意味ですよね。

Epidemicというのは調べてみると「伝染病」という意味のようです。

ですから、日本語で言うと、”何かしらの「孤独感」を感じている人が、今、慢性的に広がっている”というニュアンスでしょうか。

そんな慢性的な孤独感をLoneliness Epidemic」というようで、特に今の若者が陥っている状態のことを指しているようですね。

例えばコミュニケーションツールとしてのスマホは、以前に比べてずっと生活を便利にしてくれる代物ではありますが、一方で、直接人と話さないことによって、いろんな苦しみを生み出しているのかもしれません。

今回、このブログでは、3人のパネラーのうち、Lillian(リリアン)さんという方の話の部分だけをご紹介したいと思います。(長い記事なのですみません)

引用:Living Buddhism July 2019 P12 "The Loneliness Epidemic: A Buddhist Perspective"

リリアンさん


Lillian I: I’m the program manager at the Ikeda Center for Peace, Learning, and Dialogue in Boston. I’m responsible for organizing our “Dialogue Nights” event, which is a bimonthly forum that brings together young professionals and college students in Boston to engage in dialogue on topics that they are concerned about. We focus on sharing the philosophy of Daisaku Ikeda with the youth community of Boston. 

リリアン:私はボストンにある「池田国際対話センター」でプロフラムマネージャーをしています。”対話ナイト”という、ボストンの若い専門家たちと大学生が一緒になり、関心のあるトピックについて隔週で話し合うというイベントを主催しています。池田大作の理念を、ボストンの若者のコミュニティーと一緒に共有することに尽力しています。

「Loneliness Epidemic」について

Lillian: Boston is a big city with more than 30 universities in the greater metropolitan area. Through our “Dialogue Nights,” I’ve learned that young people are seeking a genuine connection with others and a space where they can be themselves. Based on popular demand, we recently held an event on the topic of loneliness. It turned out to be one of our most well-attended events, which shows how salient this topic is for youth. 

リリアン:ボストンは大都市圏内に30以上の大学があります。「対話ナイト」を通じて、若い人たちは他人との本当のつながりや、自分らしくいれる場所を求めていることを知りました。要望に応え、「孤独」をテーマにしたイベントを最近開催したのですが、参加者が最も多いイベントのうちの一つになりました。つまり、このテーマが若者にとってどれだけ顕著なものなのかを示しているのです。

One young woman shared how she chose to isolate herself, because it was the safest way for her to ensure that she doesn’t get hurt. While this outlook perpetuates the cycle of loneliness, many young people don’t have the tools to rise above their circumstances. 

ある若い女性が、どうして孤独でいることにしたのか、それが自分が傷つくことがない一番安全な方法だからだということを話してくれました。そのようなあり方は、孤独にさいなまれ続ける一方、多くの若者がその状況を乗り越える手段を持っていないのです。


(インタビュアー:What do you think are the root causes of the loneliness epidemic?「loneliness epidemic」の根本的な原因は何だと思いますか?)



Lillian: ...Many young people only know how to communicate through technology. When young people don’t know how to discover their authentic selves, it’s easy to define themselves based on what they see in social media, for example. SGI President Ikeda says that it is only by interacting with others that we can truly learn about ourselves. When we have less opportunities to interact meaningfully with others, it is very difficult to fully develop skills like empathy or compassion.



リリアン:...多くの若者は、テクノロジーを通してのコミュニケーションのやり方しか分からないことです。本当の自分をどう見出したらいいのか分からない時、例えばソーシャルメディアで見れるもので、簡単に自分自身を定義してしまいます。池田SGI会長は、他の人たちとふれあい、交流することによってのみ、自身について本当に学ぶことができるのだと述べています。他の人と有意義に対話する機会が少なくなれば、共感、思いやりなどのスキルを身に付けることはとても困難になります。


(インタビュアー:Do you feel that loneliness is related to lacking a sense of purpose? 「孤独」は、目的意識が不足していることと関連していると思いますか?)

Lillian: Yes. At a recent dialogue night event, a young woman shared that she feels that there are two types of loneliness: one is related to not being in a relationship, and the other is questioning the purpose of life.

リリアン:はい。最近の「対話ナイト」イベントで、ある若い女性が2つのタイプの「孤独」があると話してくれました。一つは、恋愛関係がないことに関連して、もう一つは人生の目的に疑問を投げかけるものなのだと。

Youth are so aware of what’s happening in the world, and they have a desire to find purpose and to do something with their lives, but those desires are not rooted in a sound philosophy. I met with a young woman in high school and her friends the other day. They love coming to SGI meetings because they get to talk about life, which they don’t do in school. When they were asked what they were interested in talking about, they said they wanted to learn about the purpose of life. I was so surprised by how they are grappling with such deep questions at such a young age.

若者たちは世界で何が起こっているのかを気にしており、目的を見い出し、自分の人生で何かを為したいという願望は持っていますが、それらの願望は、確かな哲学に根付いてはいません。先日、私はある女子高生とその子の友人と出会いました。彼女たちはSGIの会合に喜んで参加するのです。なぜなら、人生について話をする機会があり、学校ではやらないからです。その子たちは、何に興味があるのかと聞かれたとき、人生の目的について学びたいのだと答えました。そんな若さで、そのような深い問いを持っているということにとても驚きました。


(インタビュアー:What do you feel Buddhism offers as a solution? ブディズムが解決策としてどんなことを提供できると思いますか?)


Lillian: I was thinking about how lonely I used to feel. Most of the time, I was intoxicated or high. Why did I feel that way? I had many failed expectations. I didn’t have any hope for my life, and I decided nothing would change.

リリアン:かつての私がどれほど孤独を感じていたか。大抵、酔っぱらっているかハイになっているかしていましたね。なぜそんなふうだったのかというと、期待した通りにならないことが多く、自分の人生に何の望みも持たず、このままでいいんだと。

At one of my first SGI meetings, I asked why, in addition to the positive functions on the Gohonzon, negative functions were also represented. My friend responded that everything in your life makes up who you are and can have value. I was blown away by that concept. Through this practice and encountering the Gohonzon and President Ikeda’s words, I’ve learned to embrace all that I am and create value, even from the negative aspects of my life.

初めてのSGIの会合で、「御本尊」にはポジティブな役割をするものに加えて、ネガティブな働きをするものも表現されているのはなぜかと尋ねました。私の友人は、あなたの人生のあらゆることが、すべてが「あなた」をつくりあげ、価値を持つんだよと答えてくれました。そんな考え方にとても感動しました。この信心を通し、ご本尊、池田SGI会長の言葉と出会い、自分の人生のネガティブな側面からでさえも、私の全てをありのまま受け入れ、価値を生み出せるんだということを学びました。

President Ikeda says: “When people have a genuine sense that, no matter how difficult their present circumstances, they are not alone but are vitally connected with others and with the world, they can stand up without fail. This is the power inherent in life” ( The Wisdom of the Lotus Sutra, vol. 4, p. 105).

池田SGI会長は、次のように述べています。『他人や世界と“共にある”という実感があれば、必ず立ち上がることができる。それが生命の持っている力です』(法華経の智慧4巻)と。

The SGI’s neighborhood discussion meetings, which take place in 3,000 homes across the country, are spaces where people from all walks of life can come together, free of judgment, and engage with one another heart to heart.

全米の3000カ所の地域住民で行われるSGIの座談会は、さまざまな立場の人々が一緒に、ジャッジメントフリー(※どういう考えを持っていてもその人が批判されたり評価されたりされないという意味)で、お互いが率直に関わりあえる場所なのです。

 A lot of the research around loneliness talks about how human beings are social animals, and it is not natural for us as humans to isolate ourselves. When we attend discussion meetings, we come to realize that we are not alone—we are all interconnected. 

孤独をめぐる研究の多くは、人はどれだけ社会的な動物であるかについて論じており、自身を孤立させるということは、自然なことではないのです。座談会に参加すると、私たちは一人ではないーすべて相互に結びついているんだということに気付くのです。

(インタビュアー:In the Afterword to volume 30 of The New Human Revolution, President Ikeda talks about the principle of “voluntarily assuming the appropriate karma” and names loneliness as a suffering that we decided to take on to help others. What are your thoughts on this?「新人間革命」第30巻のあとがきにおいて、池田SGI会長は「願兼於業(がんけんおごう」の原理として、孤独とは他の人を救うために引き受けた苦悩なのだと述べられております。これについてはどう思いますか?)

Lillian: I feel that loneliness is a manifestation of our society. It’s a wake-up call to us that people’s hearts are dying! This idea that we have voluntarily chosen our karma to lead people to happiness is empowering. It gives meaning to my suffering. In the depths of my life, I chose to experience loneliness so I can understand the suffering of others, and help them transform this karma. That’s what gives my struggles meaning. Instead of feeling like I just have to get rid of my problems, I ask myself how I can use them to create value for myself and others.

リリアン:孤独感は私たちの社会の現れだと感じています。人々の心が死にかけているという警鐘を鳴らしているのです!願兼於業という考えは人々の幸福につながる力となります。それは私の苦しみに意味を与えるのです。命の奥底で、孤独を経験することを自ら選ぶことで、他人の苦しみが理解でき、この宿業を変えていく手助けをすることができるのです。それは私の苦悩に意味を与えているのです。単純に自分の問題を取り除かなきゃと思う代わりに、これを自分や他の人に価値を見い出すことにどう活かせるかを自問しています。

This is the profundity of our philosophy of hope.

これが私たちの「希望の哲学」の奥深さなのです。

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どうでしたか?

たまに海外メンバーの話を聞くのも新鮮でいいですよね。

リリアンさんがはじめて参加した座談会で質問した「御本尊」に関してですが、その質問の内容と友人が出した答えの両方に驚いています。笑。2人とも深いところを突いていますね。

こういう、海外の座談会で何を話しているのかというのを垣間見れると、ワクワクしてきます。

そして、確かに、学会活動は他の人と話す非常にいい訓練の場でもありますね。

仕事場や友人とは違う、本当にさまざまな人が集まり、語り合います。

以前、ゲーテさんの言葉を引用したことがありますが、今回のテーマにもピッタリの内容なのでご紹介しましょう。

性に合わない人たちとつきあってこそ、
うまくやっていくために自制しなければならないし、
それを通して、
われわれの心の中にある
いろいろちがった側面が刺激されて、
発展し完成するのであって、
やがて、誰とぶつかっても
びくともしないようになるわけだ。


Only can the various sides of the character be brought out, till it attains a certain completeness, and the man, feels sure of himself in opposition to any and every man.
引用:ゲーテとの対話(上)/Conversations with Goethe

その通り!

どうか素晴らしき人生を!



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