海外の教学試験ってどんな感じ? 〔#153〕

海外の教学試験
世界の教学試験


学会には、「教学試験」というものがあります。

詳しい話はいろいろ長くなりますので割愛させていただきますが、

ざっくり言いますと、

仏法用語の理解を深めたり、大聖人の御書をより深く勉強したり、基本的な学会の理念などを事前に学んで、決まった日にテストを受けます。

これがいわゆる、「伝統の教学試験」と呼ばれるものです。

「試験」と言っていますから、もちろん合否があります。


まあ、そんな感じにはなっていますが、

いろんな方がおっしゃっているように、この一連のテストっていうのは、

「実践のために身につける教学」と言われていまして、

例えば、目の前にいる人にどう励ましたらいいのか、その悩みはどう捉えたらいいのか。何かに直面した時に深く理解できたり、捉え方が分かってくる。

自分の中に入れた辞書のような「教学」が、「実践」によって「智慧」となって湧いて出てくるようになるわけです。

ですからこの教学試験というのは、どちらかと言うと「教学は何のためなのか」、ということをおさえるのが実はメインのような気がします。

そういう意味では、
試験があろうがなかろうが、研鑽する「習慣」が本当はもっと重要なのですが(笑)、

勉強する機会を設けて頂けるのはありがたいものですね。


「教学試験」は世界中でやっているよ。



ところで皆さん、

「教学試験」は日本だけではないことをご存知でしたか?

まあ、よく新聞にも出てきますので、ご存知の方も多いかもしれませんね。


もう、今や世界中でこの「教学試験」はあるのです。

海外では、何が、どんなふうに出題されているのか、

ちょっと興味がありませんか?

そう思って調べてみましたよ。


教学試験の内容



内容は「一般教学試験③(2018年度版)world tribune紙」より。

英語で、「Essentials Exam/エッセンシャルズエグザム」と呼ばれているようです。


たしか、私の記憶が正しければ、

一番最初に受ける基礎中の基礎、日本でいうところの「任用試験」に相当するのは

introductory exam/イントロダクトリーエグザム」だったと思います。


今回ご紹介するのは、任用試験をクリアしたメンバーが受ける教学の3つ目の試験のようです。


実際、中身を見てみましたが、

そこまで難しくはありません。


そして、日本で試験に出される内容と大きく違う点はありません。

つまり、どこの国にいても基本的な教学をおさえることができるということです。


唯一違うのは、

日本語だと簡単そうなのに、英語で見ると難しく感じる、私の語学力です。笑。

あ~ん、もっと英語を深めねば。泣。


また、

日本と同じくマークシート方式ですので、正解がどれかを選択する試験となっています。

今年行った実際のテストが見れますので、

ちょっといくつかご紹介してみましょう。


Essentials Exam 3 (2018年度版_抜粋)


(1)
Of the four descriptions below, which one is NOT a description of “human revolution” as it relates to our practice of Nichiren Buddhism?

a) Elevating our life state from the “four evil paths” to the worlds of bodhisattva and Buddhahood
b) The inner transformation that results from Buddhist practice
c) A modern expression of the principle of “attaining Buddhahood in this lifetime”
d) Focusing on past achievements rather than our present growth and development 

日蓮仏法の実践に関する「人間革命」の意義として不適切な説明は以下のうちどれですか。
a)「四悪趣」の境涯から「菩薩界・仏界」へと境涯を高める
b)仏道修行による内面的な成長
c)「一生成仏」の現代的な表現
d)現在の努力よりも過去の業績に重点を置く生き方


(2)
Regarding the concept of “many in body, one in mind,” the phrase “one in mind” refers to all practitioners of Nichiren Buddhism:

a) prioritizing our own needs over the needs of others.
b) sharing the lofty goal of widely spreading Buddhism.
c) giving the appearance of unity but not accepting the goal in our heart.
d) suppressing our individuality and unique identity. 

「異体同心」の「同心」の意義として適切な説明は以下のうちどれか。

a)他者より自身を最優先すること
b)仏法を広く流布する崇高な目的を共有すること
c)団結しているようにみせかけて、実は心では共通目標を受け入れていないこと
d)自身の主体性や個性を抑制すること


(3)
The ninth level of consciousness, also called the amala-consciousness, is the “fundamental pure consciousness” existing at a depth of life free from all karmic impurity. It is synonymous with the world of Buddhahood.We can access this “palace of the ninth consciousness” by:

a) basing our decisions about life on the guidance of a higher power.
b) countering each bad cause we’ve made in the past with a good cause over countless lifetimes.
c) chanting to the Gohonzon with faith in our Buddha nature.
d) activating the non-self through meditation.

第九識とは「阿摩羅識」と呼ばれ、一切の悪業から解き放たれた「根本清浄識」であり、「仏界」と同義です。この「九識心王真如の都」に至るためにすべきことは以下のうちどれか。

a)人生の大事な決断を崇高な(神のような)導きに基づいていくこと
b)過去のすべての悪因を良因を積むことで一つ一つ消していくこと
c)自身の仏性を信じて御本尊に向かい唱題すること
d)瞑想することで無我の境地を覚醒していくこと


(4)
An act of true compassion in Nichiren Buddhism is:

a) introducing others to Buddhism.
b) closing ourselves off from the rest of the world to practice Buddhism.
c) only pursuing our personal happiness.
d) believing in the Buddhahood of those we like but not in those we dislike.

日蓮仏法における真の慈悲の行為とは以下のうちどれですか。

a)人々に仏法のを語っていく
b)仏道修行のために、周りの世界から自身を閉ざす
c)自身の幸福を求めることのみに力をそそぐこと
d)自分の好きな人にのみ仏性を信じ、嫌いな人の仏性は信じないこと


(5)
Nichiren opened the way for all people to attain Buddhahood by:

a) promoting charitable enterprises and public works.
b) commissioning many statues of Shakyamuni Buddha
c) building temples and stupas, and offering prayers for rain.
d) establishing the practice of chanting Nam-myohorenge-kyo to the Gohonzon.

日蓮大聖人が万人成仏のために具体的に示し開かれた方途は何ですか。

a)慈善事業や公共事業を推進した
b)多くの釈迦仏像の建立を依頼した
c)寺院や仏舎利塔を建立し、雨乞いをした
d)御本尊に南無妙法蓮華経と唱える唱題行を確立した

(6)
Nichiren regarded the suffering of all people as his own and, in a time of great social turmoil, sought to find a way to relieve that suffering. He eventually found the answer he had been searching for in the Lotus Sutra. The focus of his lifelong efforts was to:

a) maintain a steady flow of donations and have a comfortable life.
b) have his teachings sanctioned by the government.
c) realize peace and make respect for the dignity of life a guiding principle of society.
d) establish his own personal fame and wealth.

日蓮大聖人は混迷する社会にあって、民衆の苦悩をわが苦悩としつつ、解決の道を探求し、法華経にその解答を見い出されました。大聖人の生涯にわたる念願は何でしたか。

a)安定した供養を確保し、安穏な生活を送ること
b)民衆から仏として崇められること
c)平和を実現し、生命の尊厳を社会の指導原理として確立させること
d)自身の富と名声を確立すること


どうでしたか?


そうですねぇ・・

私は「あ、これはディスカッションしやすいかも」という印象を受けました。

講義を聞いて本を読んで勉強する、正解はどれかを見つけ出して終わりではなくて、この後とても有意義な話し合いができるような気がします。

むしろ、そっちの方を大切にしているのかもしれませんね。

単純な質問でも、話し合って自分なりに理解したことは忘れませんし、その方が応用力が付きます。

英語から逆輸入すると、思っている以上に本質が見えやすくなるっているのもメリットですね。

では!



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