宗教ジャーナリスト(クラーク・ストランド)_小説『人間革命』について 〔#091〕

前回、宗教ジャーナリスト(クラーク・ストランド氏)のインタビューをご紹介しましたが、彼の書いた本の中で、小説『人間革命』について記載している部分がありますのでご紹介します。(→参考:小説『人間革命』とは

彼ならではの捉え方ですが、なかなか面白い視点です。

ちょっとだけ見てみましょう。

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小説『人間革命』の中に登場する
「戸田城聖」と「19歳の若き山本伸一青年」との
出会いのシーンについて


ーーーー以下引用ーーー

これは、長編小説『人間革命』に描かれた内容で、
師・戸田城聖との出会いを劇化して綴ったものだ。

もちろん、だからといってフィクションというわけではない。

創価学会の歴史をわかりやすく描き、
たんなる事実の羅列から一貫したテーマを掘り出すのが難しいと感じる普通の人にも読めるようにというのが、池田の意図なのだ。

『人間革命』は、
創価学会という新しい宗教運動にとって
不可欠な何かを吹き込んだ。

これがなければ、
創価学会は現在の規模には発展しなかっただろう。

『人間革命』を
池田がつくり上げた修正主義的学会史だと
批判する人たちは、その本質を理解していない。

『人間革命』は、一貫したテーマのもと
創価学会誕生からの歴史を物語形式で綴り、
メンバーが学会精神を自分のこととして捉えられるようにした福音書なのだ。

四つの福音書がないキリスト教など考えられないように、未来の世代にとって、『人間革命』『新・人間革命』という超大作の描く物語なしの創価学会など、考えられないだろう。

福音書にしろ小説にしろ、
一つの事実が示されると同時に、別の事実が隠れてしまうのが、文学作品というものの性質だ。

しかし、
『人間革命』に描かれた第二代会長と第三代会長の出会いによって隠れてしまった事実があっても、それは欺瞞とは違う。

隠れてしまったそれは、
やがで聖書に匹敵するような福音書が創価学会にできあがっていくための「種子」なのだ。

自明の理だが、いったん木が成長してしまえば種子は姿を消すが、さらに多くの種子となって痕跡をとどめる。そして、ちょっと地面を掘って探してみれば、どんな種子だったのかも見当がつくのだ。

This is the version of the events found in Daisaku Ikeda's multi-volume historical novel The Human Revolution.

 As such, it represents a dramatized retelling of his first meeting with his lifelong mentor, Josei Toda. That doesn't mean. of course, that it isn't true. Ikeda's masterwork is intended to make the story of the Soka Gakkai accessible for the average person who finds it difficult to extract a coherent theme and story line from raw history. 

The Human Revolution provided something essential to the new movement, without which it probably could not have grown to the size it has.Those who criticize the novel as Ikeda's "revisionist history" of the Soka Gakkai have simply failed to understand what it is--which is a "gospel". The Human Revolution's thematically unified, story-like retelling of the events of the Soka Gakkai's founding allows members to embrace itsmessage and spritual lineage as their own. 

Just as it is difficult to image Christianity without the four gospels, it will be impossible for future generations to imagine the Soka Gakkai apart from the story line preserved in this mammoth work and its serialized sequel, The New Human Revolution.

引用文献:
『SGIと世界宗教の誕生』クラーク・ストランド著P116、『waking the buddha』 Clark Strand p111-p112。英語が途中までとなっているのは、2書の内容が若干違う為です。ご了承ください。 


ーーー引用おわりーーー

どうでしたか?

「福音書」という例えが、馴染みがないのでしっくりきませんが(笑)、言いたいことは十分に伝わります。

どうしてなのかという意図を汲める力と、こういうことを実にさらっと言ってのけてしまうのは、さすがですね。



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