さて、いよいよ人気品の登場です。
・・・あ、間違えたっ。。
人気ではなく、人記です。
ずっと人気だと思っていました(汗)
さて、ここでのポイントは
菩薩じゃない人が仏になれるよと言われている点です。
シンプルですが、重要です。
ではみんなで一緒にみていきましょう。
簡単あらすじ
今回は、弟子の阿難(あなん)と羅睺羅(らごら)に対しても未来に仏になることを告げます。阿難は釈尊の侍者として一番長く仕えた弟子で、羅睺羅は釈尊の実子です。
阿難(あなん)への授記:
釈尊は阿難に対し、山海慧自在通王(さんかいえじさいつうおう如来と名付けられること、国を常立勝幡(じょうりゅうしょうばん)といい、劫を妙音遍満(みょうおんへんまん)ということを告げます。
At that time the Buddha said to Ananda: “In a future existence you will become a buddha with the name Mountain Sea Wisdom Unrestricted Power King Thus Come One, Your land will be named Ever Standing Victory Banner, Your kalpa will be named Wonderful Sound Filling Everywhere.
その時、会衆の中の、悟りを得ようとしたばかりの8000人の菩薩たちは、皆このように思います。「大菩薩でさえもこのような記を受けたと聞いたことが無いのに、なぜ声聞が記別をうけれたのだろうか」と。
At that time in the assembly eight thousand bodhisattvas who had newly conceived the determination to attain enlightenment all thought to themselves, We have never heard of even a great bodhisattva receiving a prophecy such as this. For what reason should these voice-hearers receive such a prediction?
世尊は菩薩たちのこうした思いを知り、このように伝えます。
At that time the world-honored one, knowing the thought that was in the minds of these bodhisattvas, said to them
”私と阿難はかつて空王仏(くおうぶつ)のもとで、同時に無上の完全な智慧を得ようと決意した仲なのです。阿難は多く聞くことを願い、私は悟りに達しようとしたのです。それゆえに、阿難は私の教えを守り、未来の仏たちの説いた教えを護って、多くの菩薩たちを教化しようするのです。
when Ananda and I were at the place of Void King Buddha, we both at the same time conceived the determination to attain supreme perfect enlightenment. Ananda constantly delighted in wide knowledge [of the Law], I constantly put forth diligent effort. Therefore I have already succeeded in attaining supreme perfect enlightenment, while Ananda guards and upholds my Law. And he will likewise guard the Dharma storehouses of the buddhas of future existences and will teach, convert, and bring success to the multitude of bodhisattvas.
このような本源の願いがあるゆえ、記を授けるのです、と。
Such was his original vow, and therefore he has received this prophecy.
羅睺羅(らごら)への授記:
羅睺羅には、踏七宝華(とうしきほうけ)如来になることを告げます。
At that time the Buddha said to Rahula: “In a future existence you will become a buddha with the name Stepping on Seven Treasure Flowers Thus Come One,
十世界を粉にしたに等しい多くの諸仏を供養し、今、私の子であるのと同じく、それらの諸仏の子になるでしょう。踏七宝華仏の国土の美しさと、仏の寿命と、教化される弟子と、正法と像法の永さは、山海慧自在通王如来の場合と同でしょう。この仏のためにその子となり、その後最極の完全なる智慧を得るでしょう、と。
You will offer alms to buddhas, as numerous as the dust particles of ten worlds.In all cases you will be the eldest son of those buddhas, just as you are my son now. The adornments of the land of Stepping on Seven Treasure Flowers Buddha, the number of kalpas in his life span, the disciples he converts, his Correct Law and Counterfeit Law will not differ from those of the thus come one Mountain Sea Wisdom Unrestricted Power King. You will be the eldest son of that buddha, and after that you will attain supreme perfect enlightenment.”
学・無学の声聞たち二千人への授記:
続けて、学・無学の声聞たち二千人(the two thousand learners and adepts)に対しても、仏となり、宝相(ほうそう)如来Jewel Sign Thus Come Oneとなると告げられます。
この二千人の声聞たちは喜び、詩にしてつたえて終わります。
世尊は智慧の灯明である。我々はこの授記の声を聞き、心が歓喜に満たされた様は、まるで甘露を注がれたようです、と。
World-Honored One, bright lamp of wisdom,we hear your voice bestowing this prophecy
and our hearts are filled with joy as though we were bathed in sweet dew!
はい、おわり!
ざっくりかんたん解説
最初に登場してくる阿難(あなん)と羅睺羅(らごら)が授記を受けるのはよしとして、学・無学の声聞が今回2000人も仏になると告げられます。
聞いている8000人の菩薩たちが「えーっ」って思うのは自然ですね。非常に素直です。
この回の菩薩たちはちょっとかわいそうですが、彼ら声聞たちが仏になれるよと告げることには意味があります。
仏になることというのは、角度を変えると修行の到達度ではないということですね。
この授記シリーズ、いよいよ次回、とんでもないことになります。
次は法師品第十です! お楽しみに。
〈法華経28品シリーズ〉
(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)(9)(10)(11)(12)(13)(14)(15)(16)(17)(18)(19)(20)(21)(22)(23)(24)(25)(26)(27)(28)