皆さん、こんにちは。
今回は如来神力品を取り上げております。
如来神力品は英語で「Supernatural Powers of the Thus Come One」といいます。スーパーナチュラルとは「神秘的な」とか、「不可思議な」という意味があります。
ということで、世尊のスーパーナチュラルパワーが炸裂し、そのパワーが出る法を誰かに委ねようとします。
B級アクション映画のようなスーパーナチュラルパワーのシュールさに心を奪われてしまうと、大切なことが飛びますのでご注意ください(笑)。
では、皆さんと一緒に見ていきたいと思います。
簡単あらすじ
※地涌の菩薩たちの誓い
爾時千世界微塵等菩薩摩訶薩、従地涌出者、皆於仏前、一心合掌、瞻仰尊顔、而白仏言、
世尊。我等於仏滅後、世尊分身所在国土・滅度之処、当広説此経。所以者何。我等亦自欲得是真浄大法、受持・読誦・解説・書写、而供養之。
(1)
(出広長舌、上至梵世)
広く長い舌を出、上は梵天の世界まで届き、
(2)
(一切毛孔、放於無量無数色光、皆悉遍照十方世界。衆宝樹下、師子座上諸仏、亦復如是、出広長舌、放無量光。釈迦牟尼仏、及宝樹下諸仏。現神力時、満百千歳)
全ての毛穴から無量無数の色の光を放って、ことごとく十方世界を照らし、多くの宝樹下の師子座上の諸仏もまたこのように、広く長い舌を出し、無量の光を放ったのです。釈迦牟尼仏および宝樹下の諸仏が神力を現わし、百千歳の時を満たし、
and from all his pores he emitted immeasurable, countless, colored beams of light that illuminated all the worlds in the ten directions. The other buddhas, seated on lion seats underneath the numerous jeweled trees, did likewise, extending their long broad tongues and emitting immeasurable beams of light. When Shakyamuni Buddha and the other buddhas beneath the jeweled trees thus displayed their supernatural powers, they did so for fully a hundred thousand years.
(3)
(然後還摂舌相。一時謦欬)
こうして、舌を収めて 一斉に咳をして、
After that they drew in their tongues again, coughed in unison,
(4)
(倶共弾指)
共に指を鳴らしたのです。
and all together snapped their fingers.
(5)
(是二音声、遍至十方 諸仏世界、地皆六種震動)
この2つの音声が、あまねく十方の諸仏の世界に至り、大地が皆六種に震動します。
The sounds made by these two actions filled all the buddha worlds in the ten directions, and the earth in all of them quaked and trembled in six different ways.
(6)
(其中衆生、天・竜・ 夜叉・乾闥婆・阿修羅・迦楼羅・緊那羅・摩睺羅伽、人・非人等 、以仏神力故、皆見此娑婆世界無量無辺百千万億衆宝樹下師子座上諸仏、及見釈迦牟尼仏、共多宝如来、在宝塔中 坐師子座、又見無量無辺百千万億菩薩摩訶薩、及諸四衆、恭敬囲繞釈迦牟尼仏。既見是已、皆大歓喜、得未曾有)
その中の衆生、天人、龍人、夜叉、乾闥婆、阿修羅、迦楼羅、緊那羅、摩睺羅伽、人、人でないものなど、仏の神力ゆえ、皆この娑婆世界の無量無辺百千万億の宝樹下の師子座上の諸仏を見、そして釈迦牟尼仏、多宝如来が共に宝塔の中にいて、師子の座に坐っているのが見えるのです。また、無量無辺百千万億の菩薩摩訶薩およびさまざまな四衆が、釈迦牟尼仏を恭敬し周りを囲んでいるのを見るのです。見た後は、皆大いに歓喜して未曾有なことをを得たのです。
(7)
(即時諸天、於虚空中、高声唱言、過此無量無辺百千万億阿僧祇世界、有国名娑婆。是中有仏、 名釈迦牟尼。今為諸菩薩摩訶薩、説大乗経、名妙法蓮華、教菩薩法、仏所護念。汝等当深心随喜。亦当礼拝・供養釈迦牟尼仏)
すぐその時に諸天は、虚空から高声にこのように唱えて言うのです。「この無量無辺百千万億阿僧祇の世界を過ぎて、娑婆と名づけた国があり、その中に釈迦牟尼とよばれている仏がおり、今、多くの菩薩の為に、大乗経の妙法蓮華、教菩薩法、仏所護念とよばれる法を説いているのです。あなたたちは深い心で随喜し、また、必ず釈迦牟尼仏を礼拝し供養しなさい」と。
At that time the heavenly beings in the midst of the sky cried out with loud voices, saying: “Beyond these immeasurable, boundless hundreds, thousands, ten thousands, millions of asamkhya worlds there is a land named saha, and in it a buddha named Shakyamuni. Now for the sake of the bodhisattvas mahasattva he is preaching the great vehicle sutra called the Lotus of the Wonderful Law, a teaching to instruct the bodhisattvas, one that is guarded and kept in mind by the buddhas. You must respond with joy from the depths of your hearts, and also offer obeisance and alms to Shakyamuni Buddha!”
(8)
(彼諸衆生聞虚空中声已、合掌向娑婆世界、作如是言、南無釈迦牟尼仏 南無釈迦牟尼仏)
多くの衆生は虚空の中の声を聞き終わり、合掌して娑婆世界に向って、このように言います。「釈迦牟尼仏に帰命します、釈迦牟尼仏に帰命します」と。
When the various living beings heard the voices in the sky, they pressed their palms together, faced the saha world, and spoke these words: “Hail, Shakyamuni Buddha! Hail, Shakyamuni Buddha!”
(9)
(以種種華・香・瓔珞・旛蓋、及諸厳身之具、珍宝妙物、皆共遙散娑婆世界。所散諸物、従十方来、譬如雲集。変成宝帳、遍覆此間諸仏之上)
種々の花、香り、首飾り、幡蓋およびさまざまな身を飾る装具、珍宝、妙物で、共に遙かに娑婆世界に散らしたのです。散らしたさまざまな物は十方より来て、雲が集まるようで、変じて宝の帳となってあまねくこの空間の諸仏の上を覆ったのです。
Then they took different kinds of flowers, incense, necklaces, banners, and canopies, and the ornaments, rare jewels, and other wonderful articles that adorned their persons, and all together scattered them far off in the direction of the saha world. The objects thus scattered poured in from the ten directions like clouds gathering together. Then they changed into a jeweled curtain that completely covered the area where the buddhas were.
(10)
(于時十方世界、通達無礙、如一仏土)
時に十方世界は、隔たりがなくなってつながり、一つの仏土のようでした。
At that time the worlds in the ten directions were opened up so that there was unobstructed passage from one to the other and they were like a single buddha land.
(爾時仏告上行等菩薩大衆、諸仏神力如是無量無辺、不可思議。若我以是神力、於無量無辺百千万億阿僧祇劫、為属累故、説此経功徳、猶不能尽。以要言之、如来一切所有之法、如来一切自在神力、如来一切秘要之蔵、如来一切甚深之事、皆於此経宣示顕説。是故汝等於如来滅後、応当一心受持・読誦・解説・書写・如説修行。所在国土、若有受持・読誦・解説・書写 、如説修行、若経巻所住之処、若於園中、若於林中、若於樹下、若於僧坊、若白衣舎、若在殿堂、若山谷曠野、是中皆応起塔供養。所以者何、当知是処即是道場。諸仏於此得阿耨多羅三藐三菩提、諸仏於此転於法輪、諸仏於此而般涅槃)
その時仏は、上行など菩薩大衆にこのように告げます。「諸仏の神力はこのように無量無辺で不可思議なものなのです。もし私がこの神通力で無量無辺百千万億阿僧祇劫において、委ねるだめにこの経の功徳を説いたとしても、説き尽すことはできないものなのです。
要点を言うなら、如来の法のすべて、如来の自在の神通力のすべて、如来の秘要の蔵のすべて、如来の甚深の事のすべてはこの経において、明らかに示し説かれているのです。
これゆえに、あなたたちは如来の滅後において、必ず一心に受持し、読誦し、解説し、書写し、説かれるごとく修行すべきなのです。ある国土で、もしくは受持し、読誦し、解説し、書写し、説のごとく修行をし、もしくは経巻がある場所があるでしょう。もしくは園の中においても、もしくは林の中においても、もしくは樹の下においても、もしくは僧坊においても、もしくは在家の家でも、もしくは殿堂であっても、もしくは山や谷や曠野にあっても、この中に皆、塔を起てて供養するべきなのです。
なぜかというと、まさに知るべきです。このところはすなわち、道場だからなのです。諸仏はここにおいて最極の完全なる智慧をを得て、諸仏はここにおいて法輪を転じ、諸仏はここにおいて般涅槃するでしょう。
At that time the Buddha spoke to Superior Practices and the others in the great assembly of bodhisattvas, saying: “The supernatural powers of the buddhas, as you have seen, are immeasurable, boundless, inconceivable. If in the process of entrusting this sutra to others I were to employ these supernatural powers for immeasurable, boundless hundreds, thousands, ten thousands, millions of asamkhya kalpas to describe the benefits of the sutra, I could never finish doing so. To put it briefly, all the doctrines possessed by the thus come one, all the freely exercised supernatural powers of the thus come one, the storehouse of all the secret essentials of the thus come one, all the most profound matters of the thus come one—all these are proclaimed, revealed, and clearly expounded in this sutra.
(※その時世尊は、この意義を詩にして説きます。)
(諸仏救世者 住於大神通 為悦衆生故 現無量神力 舌相至梵天 身放無数光 為求仏道者 現此希有事 諸仏謦欬声 及弾指之声 周聞十方国 地皆六種動 以仏滅度後 能持是経故 諸仏皆歓喜 現無量神力 属累是経故 讃美受持者 於無量劫中 猶故不能尽 是人之功徳 無辺無有窮 如十方虚空 不可得辺際 能持是経者 則為已見我 亦見多宝仏 及諸分身者 又見我今日 教化諸菩薩 能持是経者 令我及分身 滅度多宝仏 一切皆歓喜 十方現在仏 并過去未来 亦見亦供養 亦令得歓喜 諸仏坐道場 所得秘要法 能持是経者 不久亦当得 能持是経者 於諸法之義 名字及言辞 楽説無窮尽 如風於空中 一切無障礙 於如来滅後 知仏所説経 因縁及次第 随義如実説 如日月光明 能除諸幽冥 斯人行世間 能滅衆生闇 教無量菩薩 畢竟住一乗 是故有智者 聞此功徳利 於我滅度後 応受持斯経 是人於仏道 決定無有疑)
諸仏、世界を救う者、大神通にとどまり、衆生を悦ばすために、無量の神通力を現したのです。
舌は梵天まで届き、身から無数の光を放って、仏道を求める者の為に、この希有な事を現し、諸仏の咳の声、および指をならした声、あまねく十方の国に聞え、大地は六種に動き、 仏の滅度の後によくこの経を持とうとするがゆえ、諸仏は皆歓喜し、無量の神通力を現したのです。
この経を付属しようとするがゆえ、受持する者を讃美すること無量劫の中においてもなお尽くしきることはないのです。
是の人の功徳は無辺であり、きわまりはなく、十方虚空にきわがないようなものであります。
この経を持つ者は、すなわちそれすでに私を見、また、多宝仏および多くの分身の者を見、また私が今日、教化している多くの菩薩を見るのです。
この経を持つ者は、私および分身、滅度の多宝仏をすべて歓喜させ、十方の現在の仏、過去、未来の仏を見、または供養し、または歓喜させることができるのです。
諸仏が道場に坐してえられたところの秘要の法、この経を持つ者は、久しからずしてまた、必ず得ることができるでしょう。
この経を持つ者は、諸法の意義、文字や言葉で、巧みに教えを説き、尽きることがないことは風が空中で一切の障害がないようなものなのです。
世尊。我等於仏滅後、世尊分身所在国土・滅度之処、当広説此経。所以者何。我等亦自欲得是真浄大法、受持・読誦・解説・書写、而供養之。
その時、千世界の微塵の数に等しい菩薩たちで、地から涌き出した者は、皆、仏の前で一心に合掌し、尊顔を仰ぎ見て、 仏に向かってこのように言います。「世尊よ、私たちは仏の滅後に、世尊の分身がいる国土で、滅度の場所にあって、必ず広くこの経を説きます。なぜなら、私たちもまた、自らこの真浄の大いなる法を得て、受持、読誦し、解説し、書写して供養したいと思うからです。
爾時世尊於文殊師利等、無量百千万億旧住娑婆世界菩薩摩訶薩、及諸比丘・比丘尼・優婆塞・優婆夷、天・竜・夜叉・乾闥婆・阿修羅・迦楼羅・緊那羅・摩睺羅伽・人・非人等、一切衆前、現大神力。
At that time the bodhisattvas mahasattva who had emerged from the earth, numerous as the dust particles of a thousand worlds, all in the presence of the Buddha single-mindedly pressed their palms together, gazed up in reverence at the face of the honored one, and said to the Buddha: “World-Honored One, after the Buddha has entered extinction, in the lands where the emanations of the world-honored one are present, and in the place where the Buddha has passed into extinction, we will preach this sutra far and wide. Why? Because we ourselves wish to gain this great Law, true and pure, to accept, uphold, read, recite, explain, preach, transcribe, and offer alms to it.”
爾時世尊於文殊師利等、無量百千万億旧住娑婆世界菩薩摩訶薩、及諸比丘・比丘尼・優婆塞・優婆夷、天・竜・夜叉・乾闥婆・阿修羅・迦楼羅・緊那羅・摩睺羅伽・人・非人等、一切衆前、現大神力。
その時世尊は、文殊師利など無量百千万億で娑婆世界に昔からいる菩薩、および多くの出家男女、在家男女、天人、龍人、夜叉、乾闥婆、阿修羅、迦楼羅、緊那羅、摩睺羅伽、人、人でない者など、すべての衆の前で、大神力を現わされたのです。
At that time the world-honored one, in the presence of the men such as Manjushri, the immeasurable hundreds, thousands, ten thousands, millions of bodhisattvas mahasattva who from of old had dwelled in the saha world, and the monks, nuns, laymen, laywomen, the heavenly beings, dragons, yakshas, gandharvas, asuras, garudas, kimnaras, mahoragas, the human and nonhuman beings—before all these he displayed his great supernatural powers.
※仏が現す十神力とは・・・
(1)
(出広長舌、上至梵世)
広く長い舌を出、上は梵天の世界まで届き、
He extended his long broad tongue upward till it reached the Brahma heaven,
(2)
(一切毛孔、放於無量無数色光、皆悉遍照十方世界。衆宝樹下、師子座上諸仏、亦復如是、出広長舌、放無量光。釈迦牟尼仏、及宝樹下諸仏。現神力時、満百千歳)
全ての毛穴から無量無数の色の光を放って、ことごとく十方世界を照らし、多くの宝樹下の師子座上の諸仏もまたこのように、広く長い舌を出し、無量の光を放ったのです。釈迦牟尼仏および宝樹下の諸仏が神力を現わし、百千歳の時を満たし、
and from all his pores he emitted immeasurable, countless, colored beams of light that illuminated all the worlds in the ten directions. The other buddhas, seated on lion seats underneath the numerous jeweled trees, did likewise, extending their long broad tongues and emitting immeasurable beams of light. When Shakyamuni Buddha and the other buddhas beneath the jeweled trees thus displayed their supernatural powers, they did so for fully a hundred thousand years.
(3)
(然後還摂舌相。一時謦欬)
こうして、舌を収めて 一斉に咳をして、
After that they drew in their tongues again, coughed in unison,
(4)
(倶共弾指)
共に指を鳴らしたのです。
and all together snapped their fingers.
(5)
(是二音声、遍至十方 諸仏世界、地皆六種震動)
この2つの音声が、あまねく十方の諸仏の世界に至り、大地が皆六種に震動します。
The sounds made by these two actions filled all the buddha worlds in the ten directions, and the earth in all of them quaked and trembled in six different ways.
(6)
(其中衆生、天・竜・ 夜叉・乾闥婆・阿修羅・迦楼羅・緊那羅・摩睺羅伽、人・非人等 、以仏神力故、皆見此娑婆世界無量無辺百千万億衆宝樹下師子座上諸仏、及見釈迦牟尼仏、共多宝如来、在宝塔中 坐師子座、又見無量無辺百千万億菩薩摩訶薩、及諸四衆、恭敬囲繞釈迦牟尼仏。既見是已、皆大歓喜、得未曾有)
その中の衆生、天人、龍人、夜叉、乾闥婆、阿修羅、迦楼羅、緊那羅、摩睺羅伽、人、人でないものなど、仏の神力ゆえ、皆この娑婆世界の無量無辺百千万億の宝樹下の師子座上の諸仏を見、そして釈迦牟尼仏、多宝如来が共に宝塔の中にいて、師子の座に坐っているのが見えるのです。また、無量無辺百千万億の菩薩摩訶薩およびさまざまな四衆が、釈迦牟尼仏を恭敬し周りを囲んでいるのを見るのです。見た後は、皆大いに歓喜して未曾有なことをを得たのです。
The living beings in their midst, the heavenly beings, dragons, yakshas, gandharvas, asuras, garudas, kimnaras, mahoragas, the human and nonhuman beings, thanks to the Buddha’s supernatural powers, all saw in this saha world the immeasurable, boundless hundreds, thousands, ten thousands, millions of buddhas seated on lion seats under the numerous jeweled trees, and also saw Shakyamuni Buddha and Many Treasures Thus Come One seated together on a lion seat in the treasure tower. Moreover, they saw immeasurable, boundless hundreds, thousands, ten thousands, millions of bodhisattvas mahasattva and the four kinds of believers who reverently surrounded Shakyamuni Buddha.
When they had seen these things, they were all filled with great joy, having gained what they had never had before.
(即時諸天、於虚空中、高声唱言、過此無量無辺百千万億阿僧祇世界、有国名娑婆。是中有仏、 名釈迦牟尼。今為諸菩薩摩訶薩、説大乗経、名妙法蓮華、教菩薩法、仏所護念。汝等当深心随喜。亦当礼拝・供養釈迦牟尼仏)
すぐその時に諸天は、虚空から高声にこのように唱えて言うのです。「この無量無辺百千万億阿僧祇の世界を過ぎて、娑婆と名づけた国があり、その中に釈迦牟尼とよばれている仏がおり、今、多くの菩薩の為に、大乗経の妙法蓮華、教菩薩法、仏所護念とよばれる法を説いているのです。あなたたちは深い心で随喜し、また、必ず釈迦牟尼仏を礼拝し供養しなさい」と。
At that time the heavenly beings in the midst of the sky cried out with loud voices, saying: “Beyond these immeasurable, boundless hundreds, thousands, ten thousands, millions of asamkhya worlds there is a land named saha, and in it a buddha named Shakyamuni. Now for the sake of the bodhisattvas mahasattva he is preaching the great vehicle sutra called the Lotus of the Wonderful Law, a teaching to instruct the bodhisattvas, one that is guarded and kept in mind by the buddhas. You must respond with joy from the depths of your hearts, and also offer obeisance and alms to Shakyamuni Buddha!”
(8)
(彼諸衆生聞虚空中声已、合掌向娑婆世界、作如是言、南無釈迦牟尼仏 南無釈迦牟尼仏)
多くの衆生は虚空の中の声を聞き終わり、合掌して娑婆世界に向って、このように言います。「釈迦牟尼仏に帰命します、釈迦牟尼仏に帰命します」と。
When the various living beings heard the voices in the sky, they pressed their palms together, faced the saha world, and spoke these words: “Hail, Shakyamuni Buddha! Hail, Shakyamuni Buddha!”
(以種種華・香・瓔珞・旛蓋、及諸厳身之具、珍宝妙物、皆共遙散娑婆世界。所散諸物、従十方来、譬如雲集。変成宝帳、遍覆此間諸仏之上)
種々の花、香り、首飾り、幡蓋およびさまざまな身を飾る装具、珍宝、妙物で、共に遙かに娑婆世界に散らしたのです。散らしたさまざまな物は十方より来て、雲が集まるようで、変じて宝の帳となってあまねくこの空間の諸仏の上を覆ったのです。
Then they took different kinds of flowers, incense, necklaces, banners, and canopies, and the ornaments, rare jewels, and other wonderful articles that adorned their persons, and all together scattered them far off in the direction of the saha world. The objects thus scattered poured in from the ten directions like clouds gathering together. Then they changed into a jeweled curtain that completely covered the area where the buddhas were.
(10)
(于時十方世界、通達無礙、如一仏土)
時に十方世界は、隔たりがなくなってつながり、一つの仏土のようでした。
At that time the worlds in the ten directions were opened up so that there was unobstructed passage from one to the other and they were like a single buddha land.
(爾時仏告上行等菩薩大衆、諸仏神力如是無量無辺、不可思議。若我以是神力、於無量無辺百千万億阿僧祇劫、為属累故、説此経功徳、猶不能尽。以要言之、如来一切所有之法、如来一切自在神力、如来一切秘要之蔵、如来一切甚深之事、皆於此経宣示顕説。是故汝等於如来滅後、応当一心受持・読誦・解説・書写・如説修行。所在国土、若有受持・読誦・解説・書写 、如説修行、若経巻所住之処、若於園中、若於林中、若於樹下、若於僧坊、若白衣舎、若在殿堂、若山谷曠野、是中皆応起塔供養。所以者何、当知是処即是道場。諸仏於此得阿耨多羅三藐三菩提、諸仏於此転於法輪、諸仏於此而般涅槃)
その時仏は、上行など菩薩大衆にこのように告げます。「諸仏の神力はこのように無量無辺で不可思議なものなのです。もし私がこの神通力で無量無辺百千万億阿僧祇劫において、委ねるだめにこの経の功徳を説いたとしても、説き尽すことはできないものなのです。
要点を言うなら、如来の法のすべて、如来の自在の神通力のすべて、如来の秘要の蔵のすべて、如来の甚深の事のすべてはこの経において、明らかに示し説かれているのです。
これゆえに、あなたたちは如来の滅後において、必ず一心に受持し、読誦し、解説し、書写し、説かれるごとく修行すべきなのです。ある国土で、もしくは受持し、読誦し、解説し、書写し、説のごとく修行をし、もしくは経巻がある場所があるでしょう。もしくは園の中においても、もしくは林の中においても、もしくは樹の下においても、もしくは僧坊においても、もしくは在家の家でも、もしくは殿堂であっても、もしくは山や谷や曠野にあっても、この中に皆、塔を起てて供養するべきなのです。
なぜかというと、まさに知るべきです。このところはすなわち、道場だからなのです。諸仏はここにおいて最極の完全なる智慧をを得て、諸仏はここにおいて法輪を転じ、諸仏はここにおいて般涅槃するでしょう。
At that time the Buddha spoke to Superior Practices and the others in the great assembly of bodhisattvas, saying: “The supernatural powers of the buddhas, as you have seen, are immeasurable, boundless, inconceivable. If in the process of entrusting this sutra to others I were to employ these supernatural powers for immeasurable, boundless hundreds, thousands, ten thousands, millions of asamkhya kalpas to describe the benefits of the sutra, I could never finish doing so. To put it briefly, all the doctrines possessed by the thus come one, all the freely exercised supernatural powers of the thus come one, the storehouse of all the secret essentials of the thus come one, all the most profound matters of the thus come one—all these are proclaimed, revealed, and clearly expounded in this sutra.
“For this reason, after the thus come one has entered extinction, you must single-mindedly accept, uphold, read, recite, explain, preach, and transcribe it, and practice it as directed. In any of the various lands, wherever there are those who accept, uphold, read, recite, explain, preach, transcribe, or practice it as directed, or wherever the sutra rolls are preserved, whether in a garden, a forest, beneath a tree, in monks’ quarters, in the lodgings of white-robed laymen, in palaces, or in mountain valleys or the wide wilderness, in all these places you should erect towers and offer alms. Why? You should understand that such spots are places of enlightenment. In such places have the buddhas gained supreme perfect enlightenment, in such places have the buddhas turned the wheel of the Law, in such places have the buddhas entered parinirvana.”
(※その時世尊は、この意義を詩にして説きます。)
(諸仏救世者 住於大神通 為悦衆生故 現無量神力 舌相至梵天 身放無数光 為求仏道者 現此希有事 諸仏謦欬声 及弾指之声 周聞十方国 地皆六種動 以仏滅度後 能持是経故 諸仏皆歓喜 現無量神力 属累是経故 讃美受持者 於無量劫中 猶故不能尽 是人之功徳 無辺無有窮 如十方虚空 不可得辺際 能持是経者 則為已見我 亦見多宝仏 及諸分身者 又見我今日 教化諸菩薩 能持是経者 令我及分身 滅度多宝仏 一切皆歓喜 十方現在仏 并過去未来 亦見亦供養 亦令得歓喜 諸仏坐道場 所得秘要法 能持是経者 不久亦当得 能持是経者 於諸法之義 名字及言辞 楽説無窮尽 如風於空中 一切無障礙 於如来滅後 知仏所説経 因縁及次第 随義如実説 如日月光明 能除諸幽冥 斯人行世間 能滅衆生闇 教無量菩薩 畢竟住一乗 是故有智者 聞此功徳利 於我滅度後 応受持斯経 是人於仏道 決定無有疑)
諸仏、世界を救う者、大神通にとどまり、衆生を悦ばすために、無量の神通力を現したのです。
舌は梵天まで届き、身から無数の光を放って、仏道を求める者の為に、この希有な事を現し、諸仏の咳の声、および指をならした声、あまねく十方の国に聞え、大地は六種に動き、 仏の滅度の後によくこの経を持とうとするがゆえ、諸仏は皆歓喜し、無量の神通力を現したのです。
この経を付属しようとするがゆえ、受持する者を讃美すること無量劫の中においてもなお尽くしきることはないのです。
是の人の功徳は無辺であり、きわまりはなく、十方虚空にきわがないようなものであります。
この経を持つ者は、すなわちそれすでに私を見、また、多宝仏および多くの分身の者を見、また私が今日、教化している多くの菩薩を見るのです。
この経を持つ者は、私および分身、滅度の多宝仏をすべて歓喜させ、十方の現在の仏、過去、未来の仏を見、または供養し、または歓喜させることができるのです。
諸仏が道場に坐してえられたところの秘要の法、この経を持つ者は、久しからずしてまた、必ず得ることができるでしょう。
この経を持つ者は、諸法の意義、文字や言葉で、巧みに教えを説き、尽きることがないことは風が空中で一切の障害がないようなものなのです。
如来の滅後において、仏が説くところの経の、因縁および次第を知って、その意義にしたがって、ありのまま説くのです。太陽と月の光明が、多くの闇を除くことができるように、この人は世間の中で行じ、衆生の闇を滅し、無量の菩薩を、結局はこの一乗にとどまらせるでしょう。
このゆえに智がある者は、この功徳の利益を聞いて、私の滅度の後には、この経を受持すべきなのです。
この人が仏道を成就することは絶対に疑いのないことなのです、と。
ここでは地涌の菩薩たちが釈尊の滅後に法を広めることを誓うところからスタートし、いきなり釈尊は10の神通力をみんなに見せます。
見ている側はワ~ォ!となったと思いますが、なぜ神通力をみんなの前で現したのでしょうか。
釈尊の滅後に法を広めると誓った地涌の菩薩たち、そのリーダー「上行菩薩」などに伝え、最後に詩で説かれたところに答えがありそうです。
この経を「この人」に付属するがゆえ、だということ。
そして、「この人」は現在、過去、未来の全ての仏を歓喜させ、
そして、「この人」はこのような仏たちが得たこの法を、必ず得られるのだと。
そして、釈尊の滅後において
”太陽と月の光明が、多くの闇を除くことができるように、この人は世間の中で行じ、衆生の闇を滅し、無量の菩薩を最後に必ず一乗に到達させることができる”人なのだと。
仏たちの全てを託し、滅後の後に釈尊にかわって法を広めていく人物こそ、この地涌の菩薩たちであり、上行菩薩たちであるということ。
如来神力品は、仏の滅後に生きる人たちへの手紙のようなものなのかもしれません。おわり!次は嘱累品です。
〈法華経28品シリーズ〉
(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)(9)(10)(11)(12)(13)(14)(15)(16)(17)(18)(19)(20)(21)(22)(23)(24)(25)(26)(27)(28)
このゆえに智がある者は、この功徳の利益を聞いて、私の滅度の後には、この経を受持すべきなのです。
この人が仏道を成就することは絶対に疑いのないことなのです、と。
The buddhas, saviors of the world, abide in their great transcendental powers, and in order to please living beings they display immeasurable supernatural powers.Their tongues reach to the Brahma heaven, their bodies emit countless beams of light. For the sake of those who seek the buddha way they manifest these things that are rarely seen. The sound of the buddhas coughing, the sound of them snapping their fingers, is heard throughout the lands in the ten directions and the earth in all those lands moves in six ways.
Because after the Buddha has passed into extinction there will be those who can uphold this sutra, the buddhas are all delighted and manifest immeasurable supernatural powers.
Because they wish to entrust this sutra, they praise and extol the person who accepts and upholds it, and though they should do so for immeasurable kalpas
they could never exhaust their praises.
The benefits gained by such a person are boundless and inexhaustible, like the vast sky in the ten directions that no one can set a limit to. One who can uphold this sutra has in effect already seen me, and likewise has seen Many Treasures Buddha and the buddhas that are emanations of my body. And he also sees me today as I teach and convert the bodhisattvas.
One who can uphold this sutra causes me and my emanations, and Many Treasures Buddha who has already entered extinction, all to be filled with joy.
The buddhas who are present in the ten directions and those of past and future ages— he will see them too, offer alms to them, and cause them to be filled with joy.
The secret essentials of the Law gained by the buddhas who sat in places of enlightenment— one who can uphold this sutra will gain them too before long.
One who can uphold this sutra will delight in endlessly expounding the principles of the various doctrines and their names and phrases, like a wind in the open sky moving everywhere without hindrance or block. After the thus come one has passed into extinction, this person will know the sutras preached by the Buddha,
their causes and conditions and their proper sequence, and will preach them truthfully in accordance with principle. As the light of the sun and moon can banish all obscurity and gloom, so this person as he advances through the world
can wipe out the darkness of living beings, causing immeasurable numbers of bodhisattvas in the end to dwell in the single vehicle.
Therefore a person of wisdom, hearing how keen are the benefits to be gained,
after I have passed into extinction should accept and uphold this sutra. Such a person assuredly and without doubt will attain the buddha way.
かんたん解説
如来神力品をお送りしましたが、いかがでしたでしょうか。ここでは地涌の菩薩たちが釈尊の滅後に法を広めることを誓うところからスタートし、いきなり釈尊は10の神通力をみんなに見せます。
見ている側はワ~ォ!となったと思いますが、なぜ神通力をみんなの前で現したのでしょうか。
釈尊の滅後に法を広めると誓った地涌の菩薩たち、そのリーダー「上行菩薩」などに伝え、最後に詩で説かれたところに答えがありそうです。
この経を「この人」に付属するがゆえ、だということ。
そして、「この人」は現在、過去、未来の全ての仏を歓喜させ、
そして、「この人」はこのような仏たちが得たこの法を、必ず得られるのだと。
そして、釈尊の滅後において
”太陽と月の光明が、多くの闇を除くことができるように、この人は世間の中で行じ、衆生の闇を滅し、無量の菩薩を最後に必ず一乗に到達させることができる”人なのだと。
仏たちの全てを託し、滅後の後に釈尊にかわって法を広めていく人物こそ、この地涌の菩薩たちであり、上行菩薩たちであるということ。
如来神力品は、仏の滅後に生きる人たちへの手紙のようなものなのかもしれません。おわり!次は嘱累品です。
〈法華経28品シリーズ〉
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